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2011-03-07 19:24 | カテゴリ:モノローグ
庭先でほっと一息ついた午後、キッチンの奥に密かに隠しておいたクッキーをほおばった


甘いものをあまり食べなくなったとはいえ、やっぱりおいしいものはおいしい


たまにはいいでしょ?


そんな言い訳を空に向かって聞きつつ、口の中の水分を取られることにも負けず


モグモグモグモグやっていた


たまに通りすがる近所のおばちゃんに会釈などされ、少々照れながらもやっぱり食べ続けた


気の抜けた炭酸水みたいに、やる気が少々出にくくなっている午後の休憩は



なんとも言えない格別な味わいがあるのだ


クッキーがいつもよりおいしく感じるときはえてしてそんなもので



自分の中のまったり感に多少の引け目を感じながらも、言い訳を探すように庭先をぐるりと見渡した


何年も前、病気で倒れるまでの私は、ガーデニングに凝っていたので、その名残とも言える沢山の植物


が所せましと並んでいる


プランターに押し込められた窮屈そうなわすれな草、今はどうみてもただの雑草だな・・・


マダガスカルジャスミンとブーゲンビリアは、自分の季節じゃないもんってな具合に素っ気ないものだ


そんな私を横目にせっせせっせとツタをはわせるアイビーたち、花のあるグリーンとは彼らのことを言うのかしら?なんて思ってしまうほど、とても輝いているツルの凛々しさ


そんな植物との久々の無言の会話をしている私の口は、そろそろ、水分を失って、お水でも飲もうかと立ちあがった。


大人になったとはいえ、座りこんでクッキーを食べていた私の膝の上にはクッキーの粉や小さな砂のようになった破片が沢山こぼれていた


パンパンと手で叩いて、私は水を取りに事務所に入った


そのままデスクに向かえばいいもの・・・・なのですが、このやる気のない午後の空気に負けてしまうのが情けない私だったりするわけで・・・


どうしても扉の向こうに出て行きたくなるのですよ


そんな言い訳もしながら、再度庭に出た私


さっきまで居た位置と寸分変わらない場所にまた腰かけて、さっきと同じように植物に目を向けようとした


そのとき、私の視線の先に何かが動いた


小さな黒いのが動いた


ふと目を凝らして足元を見てみると、さっきの食べこぼしクッキーの下に潜るアリがいます


へ?・・・・と思ってもっと顔を地面に近づけてみると、何匹ものアリが協力しながら自分よりも大きなクッキーをせっせせっせと運んでいるのです


大きな大きなクッキーを運ぶアリの進むほうこうに私の自転車のタイヤがあります・・・・

あわてて、自転車をずらしてみたりしながら、アリの仕事のお手伝い

私にとってはこぼれカスでしかなかったクッキーの破片はアリさんたちにとっては大きな収穫

人間の中では、食べこぼししてって怒られそうなこともアリさんにとっては少々貢献出来てる?


小さな体で大きな大きなクッキーを運ぶアリの仕事はこれまた目を見張るほどの段取りで


ひとつ、またひとつと破片を巣のあるほうへと運んで行くのです


ねえねえ、アリさん、これはどの部屋に運ばれるクッキーですか?


アリさんは邪魔するんじゃないよと少々あきれ顔をして私から距離を離していく


忙しいときは人間もアリも同じやな・・・無言で通りすぎるのね・・・なんて苦笑いしつつ


そういえばこの家も、この街もコンクリートにアスファルトが地面を覆ったからなのか


昔ほどアリを見なくなったな?・・・・って思ったりして・・・


まだまだ春とは言え寒さが残るこの小さな庭で、小さなアリの仕事に出会った


小さな庭の小さなアリが私に教えたくれたものは、大きな大きな生きる力


私の生きる力なんて、自分より大きなものを持ちあげてるアリさんには及ばない


自分の小ささを実感した午後、私はなんだかスッキリしてた


アリの仕事、偉大なり



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